ベトナムに溢れるバイク
常々、ホーチミンの事について疑問に思っていた事を書いてみたいと思う。
ベトナムには日本の4倍ものバイクの台数にあたる4500万台が登録されている。
4500万台のバイクの事については、以前の記事もご覧ください。
とにかく街にはバイクがあふれ、バイク、バイク、オートバイ、スクーターな状況である・・・。
日本人ツーリストなら誰しもがそのバイクの数に驚くはずである・・・。
それにしても沢山のバイクが走っているなと思いつつ、日本と比べて収入が少ないと言われるホーチミンの一般人の人達が、なぜバイクを購入する事ができるのか?と言う、素朴な疑問を常々持っていた。
何でだろうと・・・
結構、疑問に思っているヒト多くない?
その辺をちょっと考えてみたいと思い、記事にしてみた。
自分なりに答えを見つけた感じもするし。
疑問解決か!?それではイッテミヨー!
ホーチミンで働く人達の平均的な給与とは
日本の物価とベトナムの物価は、総じて日本が高い。
例えば食事を比較すると、日本の1/4程度だろうか・・・。
リビングコストは安いが、その分、収入も安いと言う事になる。
(安いと言うのは日本と比較しての話である)
物価の比較についてはこの記事に詳しく書いているのでオススメです。
現在、ホーチミンで働く一般的な会社員で200USドル程度が月の収入と聞いた事がある。
職種にもよるけど、500USドルもあれば、結構な収入らしい。
だったら、バイクも日本と比べて格段に安い価格なのかと言うとそう言う訳ではない。
相応な値段がする。
普通に高い。
それなのに、多くのヒトがバイクを保有している疑問。
なぜだろうとずっと思っていた。
そこで、ホーチミンで暮らす現地特派員にもこの疑問を聞いてみた。
「出し合うんじゃない」とか「貯めるか借りるか」、イマイチ、マトを得ないような話だった。
いや、貯まらないでしょ・・・と思いつつ・・・。
そりゃ、ホーチミンのヒトに「何でそんな所得でバイクが買えるの?」ってダイレクトに聞いたこともないだろうから、イマイチな答えになるのも当たり前である。
聞けるわけが無い・・・。
ただ、こんな事を言っていた。
「家族や親族を凄く大切にしていて繋がりが強い。これは凄いよ。」
そして、
「金を持っているヒトと繋がるんだよ」
この時は「ふーん、そうなんだ」程度で、意味も分からなかったし、あまり関心がなかった。
じゃぁ、日本で庶民が車を購入するように、ホーチミンの人々がローンを組んで買うのかというと、どうやらそうではないらしい。
一般的な日本人にとって月収の数倍はするであろう、日本の国産車。
ホーチミンの庶民がバイクを購入する感覚に近いので、ローンかと思って、このことも現地特派員に聞いてみた。
すると、「ローンはあまりないと思う」。
なぜか?
金利が高いらしく、ベトナムは定期貯金で7%くらい。
借金になると金利はもっと高いはず。
そんな訳で高い金利を支払ってバイクを買うために借金をしないという事である。
貸す方も貸さないのかもしれないし・・・。
じゃぁ、どうやって購入するのか?
あるベトナムの書籍を読んで、この言っていた意味について、点と点が結びついて線になった。
ヴェトナム 「豊かさ」への夜明けを読んで
その書籍とはコレ。
ヴェトナム 「豊かさ」への夜明け
坪井善明氏
岩波新書
この本、1994年に初版が発行されており、結構古い。
でも、内容は現代でも十分に通じる部分があり、ベトナムの今の人々の暮らしについて、現地特派員から聞いた話とも結びつく部分が大いにあった。
その中に非常に興味深い記述があったので一部紹介したいと思う。
それが、今回の答えになったのである。
引用元:ヴェトナム 「豊かさ」への夜明け
そう、まさしく、この疑問!
ココにも著者様と同じ疑問をつねづね持っている人間がいますよ!
※月収については20年前以上の話なので、今とは異なります。
で、なんで、なんで?と関心を持って読み進めると、
引用元:ヴェトナム 「豊かさ」への夜明け
いーね、コレが知りたかった!
徹底的に聞いてください!
もう、Na5riの疑問に直球170kmのドストレートがキターーー!
で、で、
引用元:ヴェトナム 「豊かさ」への夜明け
なるほど、そういう事か・・・。
どうやら、みんなで出し合う、協力する、金のあるヒトが出す、そんな感じかなと。
現地特派員が言っていた、家族の繋がり、経済力がある人との繋がり、そういう事かと、Na5riの中で答えが見えた。
この本の別のページにも書いてあったけど、地縁・血縁関係がベトナムでは異常に高いとあるが、それは現代のベトナム社会でもヒシヒシと感じるコトである。
結論として、ローンではなく無利子で繋がりのある人から借りる、貰う、みんなで出し合う、これが答えのような気がした。
100%では無いにしても、これまで疑問に思っていたことが解決した瞬間だった。
最後に
本記事で紹介した「ヴェトナム 「豊かさ」への夜明け」って本、中々面白いです。
ちょっと古いけど、ベトナムの人達の暮らしや社会が分かりやすく書いてあるので、ベトナムに興味を持った人はオススメ。
ベトナムに興味を持って、2日目のベトナム旅行に行く前に読むと、さらにベトナムに行った時に新しい気づきがありそうな気がする!
やっぱり不思議な国であり、日本の常識が通用しない国だとつくづく思うNa5riであった。
そんな国へ楽しい旅を!
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